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Dear Princess
クラ誕SS。
クラウドおめでとう♪の気持ちを込めて書きました。一ヶ月遅れだけど!

子クラウドと子ティファが登場します。

よろしければつづきから是非~(^^)






















「ティファ、一緒にかくれんぼして遊ぼう!」
「ティファ、今日ぼくの家に遊びにこない?」
「ティファ、あのさ・・・。」
 
今日も隣の家のあの子は大勢の友達に囲まれて輝いている。

 
「うん!じゃんけんして鬼決めよう!」
「わぁ、行く行く!」
「ん?なぁに?」

 
可愛いティファ。
優しいティファ。
皆のプリンセス。
 








Dear  Princess




 
 
夕暮れ時のニブルヘイムは残酷な程夕日に紅く映える。
それは確かに美しいけれど、同時に恐ろしい光景でもある。
闇夜のように全てを覆い隠してはくれないくせに、昼間とは異なる不気味な陰影を村に刻む。
 
一匹狼を気取りつつ、本当は仲間に入りたくて仕方ない自分みたいだ。
だからクラウドは夕暮れ時が好きじゃない。


 
自室の窓辺でぼんやり頬杖をつき、とりとめのない事を考えていたクラウドは、ふと視界に飛び込んできた少女の姿に目を見開いた。

 
ティファだ。

 
玄関先で見送っている父親に手を振ると、いつものように元気良く駆け出すことはせず、軽い足取りで歩き出した。


 
(何だかティファ、おめかししてる・・・?)
 
クラウドは思わず身を乗り出した。

 
外で泥だらけになって遊ぶティファは、あまりスカートの類は身に着けない。
こっちの方が楽だから、と無邪気に笑いつつ、男の子のようなパンツスタイルを好むのだ。それでも文句なしに女の子らしくて可愛いのがティファなのだが。

 
しかし、そんな彼女が、今はしとやかなワンピースに身を包んでいる。

 
裾がふんわり膨らんだ薄いピンクのワンピース。
髪の毛も普段より念入りに梳かしてあるのか、さらさらとティファの肩に流れている。
 
夕日と同系色なワンピースを着ているのに、ティファの姿は少しも侵食されずに鮮やかにクラウドの目に映る。


 
すごく似合ってるけどなんで・・・?と考えてからはっとした。
今日、ティファはある男の子の誕生日パーティに招待されているのだ。
過剰に緊張して過剰にどもりながら彼女を誘っていたそいつは、クラウドには馬鹿面にしか見えなかったが、それでもティファは嬉しそうに微笑んでお礼まで言っていた。
 
軽やかにワンピースを揺らしながら歩いていくティファの手には、そいつへのプレゼントらしき物が握られている。

 
(何だ、そういう事か・・・)

 
途端に興が失せた。
 
ほんの数秒前まで釘付けだったくせに、今は少しも面白くない。似合っているからこそ面白くない。

 
(あんな奴の為にそんなにめかし込んでるのか?下らない。プレゼントまで用意しちゃってさ。やっぱり俺は村の奴らとは仲良くできないな。いちいち人の誕生日に気を遣うなんてめんどくさいし。)


 
だが、クラウドは幼心にも気付いていた。
これは嫉妬だ。
 
 
(だって、明日は俺の・・・・・・。)


 
あいつみたいにティファを招く勇気があったら、あんな風におめかしをしてプレゼントを持って、俺の所へ来てくれるのだろうか。
太陽のような笑顔で「おめでとう」って言ってくれるのだろうか。
これからあいつに与える全てを、俺にもくれるのだろうか。
 
俺に勇気さえあれば・・・・・・。
 






 
翌日。
 
クラウドは昨日と同じように自室で一人、ぼんやり頬杖をついて夕日を眺めていた。

 
予想通りと言うべきか、やっぱりクラウドにはどうしても勇気が出なかったのだ。
ベッドの中で誘い文句まであれこれ練っておきながら、いざ彼女の顔を見ると台詞なんか全て飛んでしまった。


 
「あ、おはようクラウド!」
「・・・お、はよ・・・。」
「どうしたの?元気ないね。」
「別に・・・。」
「そう?元気ならいいんだけど。」
「・・・・・・。」
 
会話とも呼べない挨拶を交わしているうちにすぐにティファは友達に囲まれてしまい、クラウドはすごすごと退散するしかなかった。


 
やっぱり駄目だ・・・。


 
それでも未練がましく一度だけ振り向いてみれば、昨日の奴が鼻の下を伸ばしながらティファに何か話しかけていた。

 
一気に腹が立ってクラウドはくるりと踵を返した。
 
デレデレしたあいつも、あいつなんかに笑顔を見せるティファも、そして何よりティファを誘う勇気―――あんな奴にすらあった勇気を出せない自分が、腹立たしくて腹立たしくてたまらなかった。


 
俺はあいつらとは違う。俺はあいつらとは違う。俺はあいつらとは違う!


 
呪文のように言い聞かせる言葉が、今日ほど虚しかった日はない。
 
むしゃくしゃした気分は一日中尾を引き、せっかくの誕生日なのに少しも楽しい気持ちになれなかった。






 
そして今、もはや怒りと言うよりは悲しい気持ちで窓辺に座っているのだ。
我ながらつくづく情けない奴だと自覚している。

 
今頃母さんは俺の好きな料理を作ってくれてるんだろう。夕飯を食べてケーキを切ったらきっとプレゼントを渡してくれる。俺が前から欲しがっていたプラモデルかもしれない。うん、嬉しい誕生日だ。

 
無理にでも沈んだ気持ちを浮き立たせながら階下に下りると、玄関のベルが鳴った。
台所から母が叫ぶ。
 
「悪いけどクラウド出てくれる?手が離せなくて。」

 
人が暗い気分でいる時にのこのこ訪ねてくんな馬鹿野郎!と内心で来訪者に八つ当たりしながら渋々扉を開けた。
瞬間、心臓が10メートルくらい跳ねた。




 
「ティ・・・ファ?」
「えへへ、こんばんは。」




 
そこには紛れもないティファが立っていた。

 
思わず自分のほっぺたを摘まむクラウド。

 
夢?これは夢ですか?それとも幻覚?なんでどうしてどうやって?だって昨日みたいにワンピース着ててこのティファ超可愛いんですけど。いやもちろんいつも可愛いけどこのティファはやばいっしょ、マジで姫でしょ。何その清楚な白ワンピ。似合い過ぎだし。髪の毛とかハートのピンで留めちゃって、もしかして俺へのラブメッセージのおつもりですか?

 
激しい動揺に伴って激しくずれた思考が展開されているクラウドの脳内。

 
そんなクラウドの思考も知らず、ティファは照れたように笑った。
後ろ手で隠すように持っていた物を、「じゃん!」と言ってクラウドの前に突き出す。
 
我に返ったクラウドの目の前に、リボンでラッピングされた四角い形状の物が差し出されていた。

 
「これ・・・?」
「お誕生日プレゼント。大した物じゃないけど・・・。」
「プレゼント・・・?」
「今日、クラウドのお誕生日でしょ?」

 
俺、何も言ってないのに。言えなかったのに。

 
「あのね、もしかしたら迷惑かなとも思ったんだけど、私の誕生日の時、クラウドお花くれたでしょう?すごーく嬉しかったから、だから私もお返ししたいと思って・・・。」

 
はにかんで言うティファの言葉に、クラウドは数ヶ月前の記憶を思い出した。

 
確かに、ティファの誕生日に何かプレゼントしたくて、でも女の子が欲しがる物がどうしてもわからなくて、ティファがよく行く花畑で花を摘んでリボンで包み、ティファの手に押し付けると同時に脱兎の如く走り去った記憶があった。
 
クラウドにとってみれば、気の利いたプレゼントも渡せずおめでとうすら言えなかった、後悔と気恥ずかしさで悶絶ものの記憶でしかないのだが、それをティファは嬉しかったと言う。
 


 
「あら、ティファちゃん?」
 
いつの間にか台所から出てきた母親が、にこやかにティファと挨拶を交わしている。

 
「わざわざ来てくれたの?ありがとう。そうだ、ティファちゃんケーキ食べていかない?」
「え、いいんですか?」
「もちろん。この子もティファちゃんに祝ってもらえたら喜ぶし。ね、クラウド?」
「え!?そ、そんな・・・。」

 
そんな事ない、と反射的に口走りそうになり、クラウドは思い止まった。
 
その他大勢のプレゼントに紛れたに違いない、あんなささやかな花束すら忘れず、こうしてティファは来てくれた。
 
だから、そうだ、俺も勇気を出そう。


 
「う、嬉しいよ、ティファ・・・。」


 
声が掠れてしまったが、それを聞いたティファは頬を染めて笑った。
 
 




 
「お誕生日おめでとう、クラウド。」
「ありがとう、ティファ。」
 
 
可愛いティファ。
優しいティファ。
今日は、今だけは・・・俺だけのプリンセス。
 
 







 


ちびクラウドとちびティファの可愛さは神がかってると思うんです。
本編でしか拝めないのが残念。ACクオリティで眺め回したい。(やめなさい)
子ども時代の二人を書くのがすごく楽しかったです♪

あ、プラモデルがある時代と世界だということにしておいて下さいw 

下におまけがあります。良かったら読んで下さい(^^)
クラウド誕生日おめでとう!






 
(おまけ)
 
「こ、これでいい・・・?」
「最高だ。」
「そ、そうかな?良かった。」

 
目下、ティファはクラウドからの「ワンピースを着てお洒落をしてくれ」という訳の分からない要求に応えている最中だ。

 
「仕事中に電話かけてきてまで要求する程のことなの?」
「あと数分で俺の誕生日だからな。」
「うん。それはもちろん忘れてないけど・・・。」
 
そうだよな。あの頃から忘れないでいてくれた。
 
「クラウド、口がにやけてる・・・。」
「ティファは昔から変わらないな、と思って。」
 
その可愛さも、優しさも。
 
「・・・いや、一つだけ変わったか。」
「そう?どこが?」
 
幼い頃は遠くから眺めるだけだった少女を、腕を伸ばして捕まえる。
抱き締めれば背中に回る腕が、唇を重ねれば伏せられる瞳が、名を呼べば嬉しそうに弧を描く唇が、今はある。


 
「あ、0時。お誕生日おめでとう、クラウド。」
「ありがとう、ティファ。」

 
可愛いティファ。
優しいティファ。
今はもう、俺だけのプリンセス。






読んで下さった方、ありがとうございます。
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