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sweet sugar
500HITを踏んで下さった彩木日路さんからのリクエストです!
リク内容は「イリーナがレノにちょっぴり逆襲するんだけど、結局最後はレノさんペース・・・出来たら甘ーいので」とのことでしたvvv
近寄ればバトルが始まるうちのレノイリをどう甘く持っていこうか試行錯誤しつつ、
うはうは有頂天で書かせていただきました!
日路さん、幸せリクエストをありがとうございました!
よろしければ、つづきからどうぞ~(^^)
一仕事終えて甘い物で休憩を取るひと時は、イリーナの中で何よりも嬉しく貴重な時間だ。
sweet sugar
sweet sugar
「ふぇ~。」
チョコレートケーキをぱくりと口に入れれば、思わず緩んだ声が出た。
他のタークスは皆出払っているので、イリーナは遠慮なく幸せいっぱいにケーキを食べられる。
ぱくり。
「はぁぁ~。」
甘い物は幸せだ。
だからイリーナの思考も幸せモードに切り替わる。
ツォンさんがここにいたら何て言うだろう。
“イリーナ、美味しそうなケーキだな。私も一口もらっていいだろうか。出来れば食べさせてくれないか。”
なーんて言われたらどうしよう!
“ありがとう。じゃあ今度は私が食べさせてあげよう。ほら、あーん。”
や、やだ!どんな顔して食べればいいの!?
「お、イリーナちゃん。」
「・・・お疲れ様です。」
「声低っ。」
幸せな時間は一瞬だ。
任務を終えて帰社したらしいレノが、だらけた格好とだらけた足取りで入ってきた。
どさっとソファに沈み込むとイリーナを一瞥する。
「いいもん喰ってんじゃん。」
「雨が降っても槍が降っても明日世界が滅亡してもあげませんよ!」
「拒否し過ぎだろ。第一レノ様は甘いもんは嫌いだ、と。」
かったるそうなレノの口調。どうやら疲れているようだ。
イリーナは構わず、先程淹れてきた紅茶を啜る。
丁寧に抽出したアッサム・ティ。
一口飲んで思わず満足のため息が漏れる。香ばしい匂いに心が安らぐ。
そうだ、今度ツォンさんに淹れてあげよう。
一口飲んで思わず満足のため息が漏れる。香ばしい匂いに心が安らぐ。
そうだ、今度ツォンさんに淹れてあげよう。
「イリーナちゃん何飲んでんの?」
「茶です。」
「声低っ。」
どうしてこの男はいちいち人の幸せ時間を邪魔するのだろう。
イリーナの理不尽な苛々が伝わったのか、レノはにやりと笑みを零した。
「じゃ、俺コーヒーね。」
「コーヒー豆なら戸棚の二段目です。」
「淹れてきて、と。」
「意味わかりません。」
「疲れて帰社した先輩に対する心遣いはないんですかー、と。」
「私だって今やっと一息ついてるところなんです!昨日なんて徹夜だったんだから!」
「俺は3日前から徹夜だぞ、と。」
「嘘ばっかり!昨日なんて人が仕事してる隣でキャバクラの話してたじゃないですか!」
「心は3日連続で徹夜だぞ、と。」
「こっちは心も体も徹夜してんです!」
形勢不利と見たのか、レノは突如ソファに転がり、イリーナに向かってひらひらと手を振った。
「ま、そんな訳なんでコーヒーよろしく。ブラックで。」
「どんな訳ですか!」
「先輩命令~、と。」
「自分で淹れて下さい!」
「ツォンさんはぎゃんぎゃん喚く女はお嫌いですよ、と。」
「・・・え?」
「あのもの静かな男が騒がしい女に惹かれると思いますか、と。」
「な、なんで唐突にツォンさんのこと・・・。」
「“今度は私が食べさせてあげよう、ほら、あーん。”」
「なっ!!!!!!」
イリーナは石化した。目の前の男は体を折り曲げてククク、と笑っている。
「イリーナちゃんって妄想好きなんですね、と。独り言で呟いちゃう程どっぷり浸ってやんの。クックック。」
「な、な、な、な・・・。」
「ほらほら、コーヒー淹れてきてくれたら俺の胸にしまってあげるぞ、と。」
「――――!せ、先輩のバカーーーーーーー!!!!!」
嵐のように部屋を飛び出すイリーナ。
いつから聞いていたんだろう。声かけてくれればいいものを、人の独り言を盗み聞きするなんて最低だ。しかもそれをネタに脅迫するなんて信じられない。大っっっ嫌い!
脅迫と言ってもコーヒーを淹れることしか要求されなかったのだが、ふとイリーナは手を止めた。
妙案を思いついたのだ。
少しは逆襲してやろう。いつもやられてばかりじゃ割に合わない。タークスの名にも恥じる!(レノもタークスだが)
イリーナは意気揚々と目の前の容器に手を伸ばした。
「お待たせしました。」
不機嫌に言って、ソファに転がるレノにコーヒーを突き出す。
「サンキュー。」
疑いもせずにカップを手に取るレノ。イリーナは内心ほくそ笑む。
そうそう、そのままごくりと飲めば・・・・・・。
「!?ぶっは!何だこりゃ!あっっっま!!」
「あはははは!驚きました?先輩疲れてるみたいだったから、甘いコーヒーで疲れを癒してもらおうと思って。」
「おっま・・・!これ、甘いコーヒーなんてもんじゃねぇぞ!ほぼ砂糖!」
「えー、でもスプーン五杯分しか入れてませんよ?」
「おい。」
「本当は十杯くらい入れてやろうかと思ったんですけどね、さすがに溶け切らないなと思って半分にしてあげました!」
「いい度胸してんなぁ、と。」
レノは不愉快そうにコーヒーを机に置いた。
我が悲願成就せり、とガッツポーズするイリーナ。しょぼ過ぎる悲願だという事に本人は気が付いていない。
すると、レノがこちらを振り向いた。
「これ何でしょーか、と。」
「え?・・・・・・あーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「『diary』。ここに『愛しのツォンさん観察日記』って付け足しとけよ、と。」
「かかかかか返して下さいっ!」
「あーあー、これ盗撮?犯罪ですよイリーナちゃん。」
「返して下さいぃぃぃ!」
「しかもポエム付き。どれどれ?」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!」
「コーヒーの恨みは深いぞ、と。」
「すいませんすいません!すぐ淹れ直してきますから!」
「“今日のツォンさんは少しお疲れ気味で心配・・・”」
「ぎゃーーーーーーー!」
レノの周りをぴょんぴょん跳び回っていたイリーナは、朗々と読み上げられ始めたポエムに我を忘れ、飛び掛った。
「あっぶね!」
バランスを崩し、二人ソファに倒れ込む。
その隙にイリーナは素早くdiaryを奪い取り自分の胸に抱き締めた。
diaryに気を取られ更にバランスを崩すイリーナを、レノが素早く抱え込む。
結果、イリーナはレノに抱き締められるような格好になった。
「あ・・・!」
イリーナは反射的に身を起こそうとしたが、
それより一瞬早くレノの腕に締め付けられた。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
沈黙が流れる。
「・・・あ、あの・・・先輩?」
「ん~。」
「だ、誰か・・・入ってくるかも・・・。」
「イリーナちゃん、温けぇ~。」
「聞いてます?」
「コーヒー砂糖を飲まされたんだし、これくらいの役得がないとやってられないぞ、と。」
レノはイリーナの危惧に頓着する気は全然ないらしく、
猫のように欠伸をするとイリーナの頭に頬を寄せた。
役得って・・・。第一、先にからかってきたのは先輩じゃないですか。ふざけてないで早く離して下さい。
そんな思いと裏腹に、体の力が抜けていく。
(まぁ、いいか・・・な。)
こっそり鼻先を胸にうずめれば、背中に回った腕がぎゅっと強くなった気がした。
近くで香る煙草とコーヒーの甘い匂い。レノの匂いだ。
自分を包む腕がやけに頼もしく感じられるのは、この匂いのせいにしておこう。
やがてレノが呟いた。
「俺に逆襲するなんて100年早い。わかったか、と。」
「・・・はい。」
「・・・・・・。」
「・・・先輩。」
「何ですか、と。」
「コーヒー淹れ直してきましょうか?」
「あー、いいや。」
「いいんですか?」
「今癒されてるぞ、と。」
私もです、と思ったことはナイショにしておく。
(あとがき)
イリーナの逆襲がしょぼ過ぎます。
でも言葉では絶対レノに敵うわけないし、腕力でもレノに敵うわけないし・・・
結果としてただの嫌がらせになってしまいましたorz
レノのイリーナに対する扱いが若干ひどいですが(笑)、ちゃんと可愛がってます。
彼は好きな女の子にいじわるする小学生なんです。←脳内設定
イリーナは妄想が先走るタイプだと思います。
憧れはツォンさんに感じるけど、気になるのはレノvvv←脳内設定
きちんとご希望に添えたかどうか不安ですが、とても楽しく書くことができました(^^)
こんなもので宜しければ日路さんに捧げますvvv
リクエストありがとうございました!
そして、読んで下さった方ありがとうございます。 目次(FF7SS)へ戻る
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