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Sound of Rain ~side Tifa~

ACの一場面から。

ティファ語りでシリアスです。

よろしければつづきからどうぞ~(^^)




































本当はね。
本当は、泣いて抱きつきたいくらい。
 
だってもちろん嬉しいから。

 
やっと会えた。
懐かしいあなた。
ずっとずっと大好きなヒト。


 
でも――――。




 
「星痕症候群・・・だよね?」


 
その瞳は絶望で縁取られていて、他の何物も見ていない。
 















Sound of Rain














 
 
どうして何も言ってくれないの?
 
黙り込んだまま俯いているあなたの名前を呼びたいけれど、
恐くて口に出すことができない。


 
「このまま死んでもいい・・・なんて思ってる?」

 
恐怖を打ち消すかのように尖った声が響く。

それは紛れもなく私の声だ。


 
「治療法がない。」

 
私の尖った声に対する苦渋に満ちたあなたの答え。

 
そんな搾り出すように、苦しそうに言わないで。

 
恐怖に負けてしまう。
大声で泣いてしまう。
本当に絶望しているのは私の方かもしれない。

 
震えないように、精一杯気丈な声を出す。


 
「でも、デンゼルは頑張ってるよね?」
 
だから私も負けられない。

 
そうよ、私は怒っているんだから。

 
どうして黙って家を出るの?
どうしてきちんと話をしてくれないの?
独りぼっちはいやなんでしょう?

 
私達じゃ・・・・・・私は・・・・・・あなたの支えにならないの?

 
 
「逃げないで、一緒に戦わない?皆で力を合わせて、頑張ろうよ。」

 
懇願する思いで縋るように言ってみるけれど


 
「・・・・・・。」


 
あなたは応えてくれない。




 
「・・・・・・。」
 
床に目を落としたまま、顔色さえ読ませてくれないあなたに、
恐怖心が再び湧き上がる。

 
背を向ける理由すら話してくれないのは、
私達の間に埋められない溝ができてしまったから?


 
「本当の家族じゃないから・・・ダメか。」

 
恐怖心に負けて口に出した言葉に泣きそうになる。
 


 
あなたの顔が辛そうに歪んだ。


 
ああ、またあなたを傷つけてしまった・・・。

本当の家族じゃないなんて――――たとえ冗談でも言うべきじゃなかった。

そんな事くらい知っていたはずなのに。


 
後悔で胸が塞がる。
 
 
ごめんね、強くなれなくて。
 
だからきっとあなたを包んであげられなかった。

こんなんじゃ・・・こんな私じゃ、あなたの支えにならないよね。






 
でも・・・でもね。

 
「・・・・・・。」

 
それでも尚諦めきれない私はどうしようもなく愚かしい。

 
「私達―――。」

 
お願いクラウド。

 
「思い出に負けたの?」


背を向けないで。










 

 


ACで、ティファとクラウドが再会するシーンです。
淡白というか物足りない印象を受けまして(クラウド殆ど何も言わないし)、
自分なりに二人の心情を表現したいと思っていました。

よろしければクラウドサイドもお読み下さい(^^)

読んで下さった方ありがとうございます。  目次(FF7SS)へ戻る
 
 
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