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Sound of Rain ~side Cloud~
君を絶望の淵に突き落としたくせに、どこまでも罪深い俺の身勝手な願望は、こんな時ですら消えてくれない。
Sound of Rain
「星痕症候群・・・だよね?」
君にだけは知られたくなかった事実。
この不治の病は、時折想像を絶する痛みを以って俺に襲い掛かる。
まるで、幸福な日々というぬるま湯に浸かって己の罪深さを忘れてしまいそうになっていた俺を糾弾するかのように。
俺は誰も守れない。
それを思い知らされた。
俺を生きながらえさせてくれた親友の分まで生きていこうと決心した。
守れなかった彼女の分まで、多くの人々を守っていこうと思っていた。
その決意を嘲笑うように口開いた黒いシミ。
図に乗るな。
残忍な痛みで俺に思い知らせる。
お前は罪深き存在だと。
君にだけは、罪人の烙印を押されたこんな姿を見られたくなかった。
君の笑顔が曇ってしまうのを見たくなかった。
だから俺は逃げ出した。
最も罪深い行為。
「このまま死んでもいい・・・なんて思ってる?」
君の厳しい瞳が俺を貫く。
俺はいたたまれずに下を向く。
「治療法がない。」
そう、俺に未来はない。
苦痛に苛まれて死んでいく罪人と一緒にいて、君は幸福になれるのか?
「でも、デンゼルは頑張ってるよね?」
間髪入れずに言われた言葉に思わず顔を上げた。
視線が音を立ててぶつかる。
大好きな赤褐色の瞳が深い絶望を映しているのを見て、心臓が締め付けられた。
俺は・・・・・・家族をどれだけ傷つけてしまったのか。
俺がいない方が幸せだ、と勝手に決め付けて飛び出した。
どれだけ胸を痛ませてしまったか。
いつも強く輝いていた君の瞳が、今は悲しみに揺れている。
「逃げないで、一緒に戦わない?皆で力を合わせて、頑張ろうよ。」
一緒に・・・。
そんな事許されるわけがないと残忍に笑う鼓動の一方で、
こんな俺を想い続けてくれた君に縋り付きたいという切望に胸が焼ける。
君は俺を忘れないでいてくれた。
心配して、涙を流して、ずっと気にかけていたんだ。
狂気にも似た歓喜が俺を襲い、だが次の瞬間には激しい自己嫌悪に苛まれた。
「・・・・・・。」
何も言えないでいる俺に、彼女の悲しみが色濃くなるのがわかった。
こんな罪人を忘れて早く幸せになってほしいと心から願っているのに。
君が笑顔でいられるなら喜んで俺はいなくなると、そう決意しているのに。
君の心も体も俺だけの色に塗り潰してやりたいと嗤うこの気持ちは何だ?
俺は・・・君に甘えていただけだ。
「本当の家族じゃないから・・・ダメか。」
彼女の悲しみが全て詰まったその一言が、何より胸に痛い。
そんな瞳をさせてしまって、ごめん。
そんな言葉を言わせてしまってごめんな。
謝って済む問題ではないことはよくわかっている。
俺のような人間は許されてはいけない。
独りぼっちで苦しみながら死ぬのがお似合いだ。
心底からそう思う。
そう思うのに・・・・・・。
“もう一度――――”
溢れる願望を止めることができない。
「私達―――。」
頼む、ティファ。
「思い出に負けたの?」
抱き締めてほしいんだ。
「あのシーンを再現するぞ!」ということで台詞はAC本編のものしか使用していませんが、
所々の台詞(「出ないくせに電話は手放さないもんね」など)を端折っているので
再現というより捏造になってます。
私の解釈になってしまいますが、ここでのクラウドは本当はティファに抱き締めてほしかったんじゃないかなぁと。
ベッドに腰掛けている彼の背中は母親に叱られた子どもにしか見えません(笑)
もしティファがよしよしって抱き締めてあげたら泣き出していたと思いますw甘えん坊万歳!
でもティファにしてみたら黙り込むクラウドが本当に悲しくて恐かったと思います。
クラウドめ!(笑)
一度やってみたかった本編の再現。楽しかったです♪
そして何と!!この話のイメージイラストを頂いてしまいました!!(発狂
素敵イラストはこちらからどうぞ!鼻血噴きます!!
それでは、読んで下さった方ありがとうございます。 目次(FF7)へ戻る
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