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拍手ログ1

過去の拍手お礼文です。

クラティ、ナルマヨ、レノイリでホワイトデーネタ。

バレンタイン話を先にお読み下さい^^
 

















「イリーナ。」
 
「何で・・・・・・わっ!」
 
 
振り向いた瞬間、何か小さい物体が飛んできた。
イリーナは慌てて受け止める。
レノから投げられた物体は手のひらに乗る小さな箱だった。薄ピンクの包装紙が巻かれ、真紅のリボンが掛けられている。

 
「何ですか、これ?」

「プレゼントだぞ、と。」

「へ?」

 
訳が分からず首を傾げるイリーナに対し、レノはさらっと言ってのけた。

 
「ホワイトデーだぞ、と。」

「・・・・・・。」

「その微妙な顔は何ですか、と。」

「だって今四月ですよ。」

「それは管理人の不備であって俺のせいじゃないぞ、と。文句はそっちに言ってくれ。」

「管理人?」

「これでも出来るだけ急いだんだ。ありがたく受け取っておけよ、と。」

 
お疲れさん、と言い残して、盛大に欠伸をしながらレノは去っていった。
 
残されたイリーナは、しばし考えてから、やはりこの場で開けてみることにした。
リボンと包装紙を丁寧に取り払う。中から出てきた物は・・・・・・。

 
「これ・・・!?」

 
厚みのあるビロードの小箱から姿を現したのは、上品で実用的な腕時計。
しかも、イリーナがずっと欲しがっていたブランドの数量限定品だった。

 
私、手首を華やかに彩ってくれる物が欲しいなぁ~。ブレスレットでもいいけどやっぱり腕時計かな~。だってほら、ブレスレットは無理だけど、腕時計なら任務中でも着けていられるじゃないですか。

 
以前、お酒の席で何気なく口にした言葉―――イリーナですら忘れかけていた言葉を、覚えていてくれたのだろうか。
 
放心状態で腕時計を眺めていると電話が鳴った。レノからだ。

 
「・・・先輩?」

『言い忘れたことがあったから電話したぞ、と。開けてみたか?』

「は、はい。・・・あの、ありがとうございます・・・。」

『どういたしまして。気に入った?』

「もちろんです!でも、いいんですか?一番失敗したチョコを選りすぐって渡しただけだったのに、こんな高価なお返しを頂いちゃって・・・。」

『お前な・・・。』

「冗談(半分)です!それで、言い忘れたことって何ですか?」

『あ~、失敗作でも何でもいいから、来年もまた期待してるぞ、と。』

「へ?」

『イリーナの手作りチョコ。』

「・・・・・・はい。」


 
甘い物、ダメなくせに。


 
「先輩。」

『何ですか、と。』

「腕時計、大切にします。」

『ん。』
 
 
 

 
 
 
「真宵ちゃん、今週の土曜日暇?」

「土曜日は朝から忙しいんだ。」

「あ、そうなんだ・・・。」

「朝8時からトノサマンの過去の栄光を振り返る3時間の特番を見なきゃならないし、午後は録画した特番を“真宵ちゃんのトノサマン・メモリアル”に編集して入れなきゃならないし、それが終わったらアイス食べながら撮り溜めしておいたビデオを一気に見なくちゃならないし、猫の手も借りたいってこの事だよね。」

「それは、何て言うか・・・・・・忙しそうだね。」

「でしょ?倉院流霊媒道の家元の娘ともなると、休日ものんびりできないよね。」

「それは全くもって関係ないと思うけど、まぁ忙しいなら仕方ないね。」

「何々?土曜日に何かあるの?」

「いや、ほら、ホワイトデーだから。」

「ほわいとでー?」

「真宵ちゃん、バレンタインにチョコ(らしき物)くれただろ?」

「あぁ、うん。」

「だからお返ししようと思って。」

「な、なるほどくん!」

「ん?」

「見損なったよ!!」

「は?」

「そりゃ確かに味噌ラーメンとチョコレートのコラボレーションは上手くいかなかったし、なるほどくんの顔色もかなりビリジアンになってたし、翌日から3日間腹痛に悩まされたのも知ってるし、悪かったと思ってるよ!」

「はぁ・・・。」

「で、でも、だからって仕返しするなんてひどいよ!しかもこんな時間差でさ!」

「いやいやいや!仕返しじゃなくて、ぼくが言ったのは『お返し』。お礼のことだよ。」

「・・・お、お礼?」

「そう。バレンタインのお礼に、何か美味しいものでもご馳走しようかなって。」

「ほんとに!?」

「うん。味噌ラーメ・・・・・・。」

「近所に美味しいイタリアンのお店が出来たの知ってる!?」

「・・・・・・・・は?いたりあん?」

「評判は聞いてたんだけどお値段が高くて断念してたの。ありがとう、なるほどくん!」

「・・・・・・。」

「こうなったら早速予約を・・・。あれ?顔がまたビリジアンだよ、なるほどくん。」

「真宵ちゃん、土曜日は一緒にトノサマンの特番を見ようか。」

「え。」

「その後は屋台の味噌ラーメンを食べに行って、平和に一日を終えようね。」

「・・・・・・なるほどくんのケチ。」
 
 
 
 

 
 
 
RRRRRRR

 
「はい。」

『やっほー、ユフィちゃんだよ!ひっさしぶりぃ、クラウド!』

「ああ、ユフィか。じゃあな。」

『って、おい!なんで切ろうとするんだよ!』

「どうせ大した用じゃないんだろ。こっちは今忙しいんだ。」

『はっはぁ~ん。さては、ホワイトデーのお返しを選んでるところとか?』

「・・・・・・。」

『お、図星?』

「・・・で、何の用だ。」

『怒るなよ、いい情報あげるからさ!ティファが今一番欲しい物、何だか知ってる?』

「・・・・・・いや。」

『リサーチ不足だね、クラウド。あたしがうまーく聞き出したところ、ティファはおニューのエプロンが欲しいらしいよ。』

「エプロン・・・。」

『そ。新調するタイミングがなかったんだって。急を要するものでもないからついそのままになっちゃってるって言ってたよ。』

「そうか、エプロンか・・・。」

『どう?ユフィちゃんのお役立ち情報、なかなかだろ~?』

「まぁ、な。」

『で、ここからが本題なわけ。クラウド、ちょっと想像してごらんよ。ティファが、あんたが選んだエプロンをちょっとほっぺた赤くしながら“どうかな?”なんつって恥ずかしそうに着る姿。フリルのついたピンクのエプロンなんてどうよ。ティファが着たら最高に可愛いと思わない?』

「天使だな。」

『でしょ~?今のティファのエプロンって実用的だけどシンプルな物ばかりじゃん。ちょっと路線を変えてみるのもアリじゃない?とりあえずフリルは外せないよね。あとは色だよ。セクシーな黒、清純な白、可憐なピンク・・・。』

「・・・・・・。」

『どうよ、クラウド?』

「・・・・・・。」

『もしも~し?』

「・・・・・・。」

『さては妄想してるな?まさか裸エプロンなんていかがわしい方向にズレてないだろーね。』

「・・・興味ないね。」
(何故バレた・・・)←心の声

『ならいいけど。ま、とにかくあとはあんた次第だよ!頑張ってねー!』

「任せておけ。」


 
数日後のホワイトデー。

箱を開けたティファが絶句した理由は言うまでもない。




 


懐かしいw
こんな話でした。
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